男の涙
ヤンダルは食事をしながら、ミルルにぶっきらぼうに聞いた。
「お前、あの鎌、使ったのか?」
「えっ?あの鎌を試して来いって言ったのは、親父じゃないか。」
意味がわからない。そんな表情だ。
「えっ?俺がそんな事を言ったのか?はぁ、やっちまったか・・・。昨日、飲んだ時の記憶ないもんなぁ。はぁ・・・。」
やはり、意味がわからない。そんな表情だった。しかし、ヤンダルは気持ちを切り替え、気にする様子もなく話を続けた。
「それで、効果はどうだった?きっちりと、止める事が出来たか?」
「親父ぃ。相当酔ってたな。自分で少しの間しか止める事は出来ない、そう言ってただろ?」
「そ、そうだったか。まぁ、確かにその通りのはずなんだが・・・。実際に試した訳じゃないからな。それで、どうだった?」
「親父の言った通りだったよ。ほんの少しの間しか、止める事は出来なかった。」
「そうか・・・。」
< 15 / 79 >

この作品をシェア

pagetop