「おばさんのご飯はおいしいね。」
“おばさん”と言う単語を耳にする度に、ロドの胸はひどく痛んだ。
―――まだ、思い出してくれないのね・・・。
ミルルも、ロドの事を全く覚えていない。一緒に、食事をした事やパン作りをした事、そのいっさいを覚えていなかった。
―――いったい、何があったの・・・。
心の中で、いつまでも涙を流し続けていた。
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