拾いものは危険な恋のはじまりでした
宴会も終わりマンションに戻った

こんなにすんなりご両親に認めてもらえるとは思わなかった

車の中で司さんに、去年の暮れからご両親は私達の事を知っていて

早く会いたいと思ってくれていたと教えてくれた。

素直に嬉しく思った。

そして、私と出会って大切に想ってくれる奏さんに感謝した。


夜、「花かつみ」で百合さんと真吾さんに

「結婚することになりまして、百合さんと真吾さんには凄いお世話に

なったのに何も恩返しもしてないのに、すいませんが・・・

ここを辞めさせて頂きたいと思って」

と涙ながらに伝えると、

「そんなの気にしないで、小春ちゃんが幸せになるのが一番の恩返しよ」

と笑って了解してくれた。

仕事が終わり、迎えに来た奏さんが、百合さんと真吾さんに挨拶をした

「今まで小春が大変お世話になりました。これからは、俺が小春を

幸せにします。」

そう言って頭を下げる奏さんに、百合さんと真吾さんは恐縮していた。

桐生組の若頭の奏さんを知っていた二人は、私の相手が奏さんと知ると

目を丸くして驚いていた。

そうして、今月いっぱいでの退職が決まったのだった。
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