拾いものは危険な恋のはじまりでした
「ここのお湯はお肌がスベスベになるのよ」

「楽しみです!」

大浴場は空いていて、貸し切り状態だった。

お湯に浸かっていると、月乃さんが私の肩の所を見て

「あら、小春ちゃんってこんなところにハート型の痣があるのね」

「あぁ、そうなんです。自分では見えないので気にならないんですけど」

「・・・・」

そんな会話を聞いた五月さんがじっと私の肩を見ていたのを、私は知ら

なかった。

お風呂から上がると、冷たい水をグッと飲むと火照った体の熱も少し

落ち着いた様だった。

「夕食は広間で食べるから遅れないようにね」「はい」

部屋に戻ると奏さんがビールを飲んでいた。

「お風呂に入ったんですか」

「あぁ、ここの露天にな」

浴衣を着た奏さんからは、男の色気が滲み出ている感じ

いつ見てもカッコいいなぁ。

「夕食は広間だそうですよ。」

「ああ、そろそろ行くか」「はい」

二人並んで浴衣で歩くなんて、なんかいいなぁ~


広間まで続く通路の脇にある灯篭からもれる淡い灯りが幻想的だ
< 86 / 93 >

この作品をシェア

pagetop