転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「皇帝陛下も、ヴィオラ様を気にかけておられますから。ヴィオラ様を手に入れるということは、陛下との距離が近くなるということです」

「……そうかしら」

 そこまで皇帝に気に入られているとも思えないのだが。

たしかに、満月宮の住民ではない人から見れば、血縁でもないのに満月宮で生活しているヴィオラは皇帝夫妻に相当気に入られているように見えるのだろう。

「それはともかく……ですよ。タイシン様から聞いた話によれば、ミナホ国の情勢は、心配することもないそうです。国内が本当に荒れているのであれば、王姉であらせられるヤエコ様が、国外に出るなんて不可能でしょう」

「よく、タイシンとそこまで話ができたわね……」

 ヤエコやタケルと違い、タイシンは、オストヴァルト帝国の言葉が流暢というわけではない。ヴィオラも彼と長時間話をしたことはなく、ヴィオラ以上にタイシンとの接点の少ないニイファがそこまで突っ込んだ話をしていたことに驚いた。

「ヴィオラ様。ここで、会話できるのですよ」

 と、ニイファは自分の胸を指さす。心と心で会話ができるなんて、ニイファくらいではないだろうか。

「それは、ニイファだからできるのね。私には無理だわ」

 たぶん、ニイファは心をこめてタイシンと会話したんだろう。ニイファなら、彼の懐にもするりと入り込めそうな気がする。

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