転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
こちらの世界に生まれて、ヴィオラという肉体を持ってしまった。今さら戻れるなんて考えていない。
ただ、時々無性に懐かしくなるのだ――日本で暮らしていた頃のことが。
祖母と手を繋いで買い物に出かけた、商店街の人達との会話。店に集まった常連客の笑い声。
戻れないとわかっていても、時々――目を開けたら、日本に戻っているのではないかと、そんな気がすることもあるのだ。
「ヴィオラ様、どうかなさいました?」
「あ、ごめんね、ニイファ。ミナホ国の人って、どんな人たちなのかなって考えていただけだから」
頭を振って、考えてもどうしようもないことから思考をそらそうとする。
今さら帰れるはずもないのだから、ミナホ国のことばかり考えていたってしかたないではないか。
クィアトール宮では、現在、満月宮に生活の場を移したヴィオラをのぞいて四人の少女が暮らしている。彼女達は周辺諸国の王族や、それに準じる立場である高位貴族の娘などだ。
教科書を持って、指定された席につく。五つの机が並んだこの部屋は、いうなれば教室だ。ここで、文学、地理、歴史、帝王学、経済、刺繍に、音楽、マナーなどなど、貴族の令嬢として必要な教育を受けることができる。ダンスは別の建物で、他の宮で暮らしている少年少女達と合同でレッスンを受ける。
ただ、時々無性に懐かしくなるのだ――日本で暮らしていた頃のことが。
祖母と手を繋いで買い物に出かけた、商店街の人達との会話。店に集まった常連客の笑い声。
戻れないとわかっていても、時々――目を開けたら、日本に戻っているのではないかと、そんな気がすることもあるのだ。
「ヴィオラ様、どうかなさいました?」
「あ、ごめんね、ニイファ。ミナホ国の人って、どんな人たちなのかなって考えていただけだから」
頭を振って、考えてもどうしようもないことから思考をそらそうとする。
今さら帰れるはずもないのだから、ミナホ国のことばかり考えていたってしかたないではないか。
クィアトール宮では、現在、満月宮に生活の場を移したヴィオラをのぞいて四人の少女が暮らしている。彼女達は周辺諸国の王族や、それに準じる立場である高位貴族の娘などだ。
教科書を持って、指定された席につく。五つの机が並んだこの部屋は、いうなれば教室だ。ここで、文学、地理、歴史、帝王学、経済、刺繍に、音楽、マナーなどなど、貴族の令嬢として必要な教育を受けることができる。ダンスは別の建物で、他の宮で暮らしている少年少女達と合同でレッスンを受ける。