転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「いつそんなお話が出てもおかしくはないと思いますけど、私にはそんな話はしませんから」

「そうよね。ヴィオラ様はずいぶん、"幼くて"いらっしゃるから」

 にやりとしたスティーシャは、ヴィオラの頭の先から足の先までじろじろと視線を巡らせた。いたたまれなくなって、ヴィオラはうつむく。

 ヴィオラは十二歳だが、平均より小柄だし、肉付きもよくない。この国に来てからよく食べるようになったけれど、それ以前は食が進まないことも多かった。その分、成長が遅いようで、まだ十歳になっていないように見られることも多い。

 対するスティーシャは、十五歳の成人を迎えた直後とは思えないほど大人びた体形の持ち主。リヒャルトとの年齢差も九歳であり、今、リヒャルトの妃の座を狙うには十分だ。

(今は、そんなこと考えている場合じゃないんだから……)

 胸がちくりとしたのを意識の外に追い払い、今、どうすべきかを懸命に考える。

「私、そういうのよくわかりません。リヒャルト様のお妃の件は、きっとそのうち話があると思うの」

 首をかしげてヴィオラは言う。あえて、本当の年齢より幼く見えるように。
< 20 / 215 >

この作品をシェア

pagetop