転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
第一章 海の向こうからやってきた使者
「見て見て、ニイファ。雪が降ってる!」
行儀悪くソファに膝をつき、出窓に肘を置いて庭園を眺めていたヴィオラは、お茶の用意をしてくれているニイファの方を振り返った。
「こちらはあまり雪が降らないと聞いていたのですが、珍しいですね」
「……今頃、あっちも雪が降ってると思う?」
ヴィオラの問いに、ニイファは顎に手を当て、天井を見上げて考える表情になる。
「そうですね……例年ですと、もう王宮が雪に埋もれている頃ではないかと」
「やっぱり、そうよね。この時期にこのくらいしか降らないなんて、オストヴァルト帝国は温かいのね」
母国であるイローウェン王国を離れ、ヴィオラがオストヴァルト帝国に来たのは半年近く前のこと。この国で冬を迎えるのは初めてだ。
「さあ、お茶が入りましたよ」
「ありがとう!」
窓辺からぴょんと床に飛び降りると、頭の高い位置で二つに分けて結っている髪が跳ねた。
部屋に置かれている小さなテーブルには、ふたり分のお茶とマドレーヌが用意されている。
椅子を引いてヴィオラを座らせてくれたニイファは、そのまま向かい側の席に腰を下ろした。
ニイファに向かって微笑みかけてから、ヴィオラはカップを取り上げた。
行儀悪くソファに膝をつき、出窓に肘を置いて庭園を眺めていたヴィオラは、お茶の用意をしてくれているニイファの方を振り返った。
「こちらはあまり雪が降らないと聞いていたのですが、珍しいですね」
「……今頃、あっちも雪が降ってると思う?」
ヴィオラの問いに、ニイファは顎に手を当て、天井を見上げて考える表情になる。
「そうですね……例年ですと、もう王宮が雪に埋もれている頃ではないかと」
「やっぱり、そうよね。この時期にこのくらいしか降らないなんて、オストヴァルト帝国は温かいのね」
母国であるイローウェン王国を離れ、ヴィオラがオストヴァルト帝国に来たのは半年近く前のこと。この国で冬を迎えるのは初めてだ。
「さあ、お茶が入りましたよ」
「ありがとう!」
窓辺からぴょんと床に飛び降りると、頭の高い位置で二つに分けて結っている髪が跳ねた。
部屋に置かれている小さなテーブルには、ふたり分のお茶とマドレーヌが用意されている。
椅子を引いてヴィオラを座らせてくれたニイファは、そのまま向かい側の席に腰を下ろした。
ニイファに向かって微笑みかけてから、ヴィオラはカップを取り上げた。