転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「えっと、その……ですね。人質ってことにはなってるけれど、殺されることはないと思いますよ?」

 父が帝国に正面切って反旗を翻せば、殺される可能性はないとは言えない。

 だが、国力も軍事力もまるで違う。イローウェン王国のような小国なんて、帝国と戦争になったなら、あっさり滅亡してしまうだろう。だから、父が反旗を翻すなんてありえないのだ。

 帝国には人質として大切な王女を送ったという言い訳ができるし、ヴィオラを目の届かないところにやれば、今の妃であるザーラの機嫌もいい。

今の状況は、父にとっても好ましいもののはずだ。

「タケル様が心配するようなことはないと思います」

 そう説明するけれど、タケルは納得していない様子だった。

「だけどなあ……」

「そんなことをしたら、帝国の評判がガタ落ちです。いくら帝国といえど、大陸中の国を敵に回すような真似はしません」

「でも、自由はないだろ」

「そうですねぇ……ない、と言えばないですけど。別に困ってないし」

 顎に手を当て、何か困っているかと考えてみる。

 勝手に外に出ることはできないが、皇宮内は自由に行き来することができる。それに、ヴィオラ個人に限定すれば市場に出かける許可は下りやすいのだ。

< 85 / 215 >

この作品をシェア

pagetop