キミの溺愛は甘すぎる。



「ふーん、だからそんな幸せそうな顔してんだ」
「……山城先輩?」


相変わらず不機嫌そうな表情は変わらず。
何かあったのかと思っていると───



「鈴華、もう行こう?」

優翔がようやく口を開いた。


「あっ、うん…」
「雪夜」

慌てて山城先輩に挨拶をしようと思うと、なぜかまた名前を呼ばれてしまう。


「なんですか?」
「ちょっとこっち来て」

「え?」
「いいから」


さらには呼び寄せられてしまい、不思議に思いつつも大人しく山城先輩のそばへと行く。

いくら開いている窓越しとはいえ、距離が近いなと思っていたら───


突然山城先輩の顔が近づいてきて。
頬にチュッとキスをされてしまった。

それはほんの一瞬で、頬に柔らかなものが当たる感触があったのだ。

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