キミの溺愛は甘すぎる。
「本当に鈴華ってツンデレよね。
何、神田の前ではデレたくないの?」
「あんな変人に誰がデレるか!」
「素直になればいいのに」
もう一度、みっちゃんに呆れられるけれど。
彼女はどれだけ優翔が変人なのか知らないから言えるのだ。
今日なんて指を噛んで欲しいって言ってきたのだ。
さすがに引いてしまう。
「絶対に無理」
「ふーん、かわいそうな神田」
「なんで私の味方してくれないの!」
「してるわよ。だから今日、他の男と関わってみたら?って誘って……あっ、返信きた!」
話の途中にスマホが鳴り、嬉しそうに画面を眺める彼女。
「いけるって。
でも急だから向こうもふたりだけらしいよ」
「そっちのほうが良かったや」
「確かにね。いきなり5対5とからきついでしょ?」
「うん」
いきなり5人の男と話せだなんて、ハードルが高すぎる。
「じゃあ決まりね」
ふふん、と嬉しそうに笑うみっちゃんは、今日の放課後がそれほど楽しみらしかった。