キミの溺愛は甘すぎる。



「本当に鈴華ってツンデレよね。
何、神田の前ではデレたくないの?」

「あんな変人に誰がデレるか!」
「素直になればいいのに」


もう一度、みっちゃんに呆れられるけれど。
彼女はどれだけ優翔が変人なのか知らないから言えるのだ。


今日なんて指を噛んで欲しいって言ってきたのだ。
さすがに引いてしまう。


「絶対に無理」
「ふーん、かわいそうな神田」

「なんで私の味方してくれないの!」

「してるわよ。だから今日、他の男と関わってみたら?って誘って……あっ、返信きた!」



話の途中にスマホが鳴り、嬉しそうに画面を眺める彼女。


「いけるって。
でも急だから向こうもふたりだけらしいよ」

「そっちのほうが良かったや」
「確かにね。いきなり5対5とからきついでしょ?」

「うん」


いきなり5人の男と話せだなんて、ハードルが高すぎる。


「じゃあ決まりね」

ふふん、と嬉しそうに笑うみっちゃんは、今日の放課後がそれほど楽しみらしかった。

< 36 / 226 >

この作品をシェア

pagetop