すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「藍里」

名前を呼ばれると同時に、額に柔らかい物が触れる。
キスされたのだと分かって藍里はまだ重たい瞼を頑張って開けると、目の前にいる智大に微笑みかけた。

「……おはよう」

「おはよう」

ふにゃっと笑うと、智大も微かに笑って挨拶を返してくれる。
この穏やかな時間が嬉しくて、藍里は智大にすり寄ると、智大はしっかりと藍里の小さな体を抱きしめた。

「これで暫くは寂しくないだろ?」

「え……?」

「夜寝る時、寂しいと思う前に、昨夜のことを思い出すはずだ」

先程の穏やかな笑みはどこに消えたのか、智大はどこか悪戯気に笑うと藍里は一気に顔を赤らめた。

「き……昨日あれだけ激しかったのはそのために……!?」

「いや、あれは藍里が煽ったのが原因で抑えがきかなくなっただけだ」

「煽ってなんかない……っ!」

「無自覚か?なら気を付けろ。ただでさえ可愛いのに、あんなこと言われたり、隠れてしてるって知らされたら……俺じゃなくても男は確実に止まらなくなるぞ」

「っ……!」

智大の言葉に昨夜のことを思い出した藍里は、恥ずかしさのあまり智大の胸に顔を埋めて、うー……。と唸った。

「ほら、もう起きないと遅刻するぞ」

「……無理……起きれない……」

「何を今更恥ずかしがってるんだ。……ああ、そうだ。藍里、明日の予定は開けといてくれ」

「明日?明日何かあるの?」

「出掛けたいところがある、二人で」

二人で。とわざわざ強調した智大に内心首を傾げながら頷くと、智大は藍里を抱いたまま勢いよく起き上がった。

「ひゃ……!?」

「動けないならリビングまで運んでやるけど、どうする?」

本当はダルくてあまり動きたくないけれど、そろそろ起きないと仕事の時間にも影響が出る。
藍里は智大の首に腕を回すと、お願いします。と小さく呟いた。
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