すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「俺がいない時にそんなことしてたのか」

「あ……う……」

「俺が傍にいると思うと、安心するのか?」

せめてもの抵抗にと顔を背けたけれど、智大はずいっと身を寄せて藍里に顔を寄せてきた。

藍里の体に自分の体重をかけてしまわないようにギリギリの距離を保つ智大の体勢はすごくキツいはずなのに、さすが鍛え抜かれた現職警察の特殊班と言うべきか、智大は辛そうな顔をするどころか笑みを浮かべていた。

「あ……安心する、けど……でも……寂しくもあるの……」

「寂しい?」

「智君の存在を感じて眠るのに……目が覚めたらいないんだもの……それはやっぱり、寂しい……」

「っ……だからお前は……!」

智大が何かを言い終わる前に、噛みつかれるようなキスをされた。
驚きに目を見開き固まっていたが、長く深く続く口付けに藍里はいつしか全身の力が抜けて目を閉じていた。

どれだけの時間そうしていたのか、ようやく唇が離れた頃には藍里は肩で息をしていて、智大はそんな藍里の頬を指先でそっと撫でた。

「……覚悟しとけってちゃんと言ってたからな」

「……え……?」

「それをさらに煽ったのは失敗だったな」

「違……煽ったわけじゃ……」

「大丈夫だ、少しくらいは寝かせてやるから」

「少……んぅ……」

先程の噛みつくようなキスとは違って、甘くて優しいキスに藍里はすぐに絆されてしまった。

朝ちゃんと起きれるかな……?と考えたのは一瞬のことで、すぐに藍里は智大から与えられる温もりに何も考えられなくなっていった。
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