すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
暫く騒いだ後、食べ物や飲み物がなくなるとすぐにお開きとなった。
三人が帰り、智大が一人で後片づけをしてくれている物音を聞きながら藍里はリビングのソファーでぐったりと横になっていた。

「藍里」

「ん……」

片付けが終わったのか、水を扱っていつもより冷たくなった手を藍里の頬にそっと当ててきた智大はソファーの前に座っている。
その大きな手に自分の手を重ねると、その心地よい冷たさにそっと目を閉じた。

「今日は無理させたな。疲れただろ」

「ううん……途中は怖かったけど……でも、思ったよりも楽しかった」

「それなら良かった」

目を瞑っていても智大が苦笑したのが雰囲気で分かった。
藍里が目を開くと智大はやはり眉を下げて困ったような顔をして苦笑していて、何か言いたそうにしては口を閉ざしていたので藍里は小さく口を開いた。

「……汐見さん……びっくりした……」

「……連れてくる予定ではなかったんだが、必死に頼まれて……まさかあんなことを言い出すとは思わなかった。悪かったな」

「ううん……」

「でも、一番驚いたのは汐見に藍里が反論した時だな」

「私も、びっくりした」

まさか自分が男性相手にあんな風に言い返す日がくるなんて思わなかった。
けれど汐見のような言動は吉嶺を見ていて慣れていたからだろうか、思っていたよりも反論できたことに苦笑した。
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