すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
何度も経験した突然の痛みに、藍里は目を覚ました。
陣痛の痛みの強さを表示するモニターを見ながら、助産師達が慌ただしく動き出す。
「まだ……まだですよ……っ!」
「まだ波が弱いです!まだいきまないでっ!」
「っ……んぅ……ぅ……!」
「赤ちゃんに酸素を送ってくださいっ!深呼吸してっ!!」
助産師達に大きな声で指示され、藍里は必死にいきみたいのを逃しながら深呼吸する。
これが最後のチャンスだと何度も自身に言い聞かせ、肩で大きく息をしながらテレビに視線を移した。
時を同じくして、慌ただしい動きをし始めた特殊班。
テレビカメラは、容疑者が立て籠っている部屋をアップで撮している。
何か、状況が変わる……。そう思った瞬間、耐えきれない痛みが藍里を襲った。
「いっ……ああ……っ!!」
「今ですっ!いきんで……っ!!」
「ん、んんんーーっ!!」
藍里は最後のチャンスを無駄にしないために、残った体力全てを使いきる覚悟で、今までにないほどの力を振り絞った。
ーーお願い……お願い、お願い……っ……出てきて……っ!
そう強く願った瞬間、大きな何かが体の中から出る不思議な感覚がした。
藍里が呼吸を乱しながら目を見開き、その感覚が何なのか理解できないでいると、室内に元気な泣き声が響き渡った。
「っ……生まれました……!生まれましたよ、永瀬さんっ!!」
「元気な赤ちゃんですよ!」
「あ、か……ちゃん……」
助産師達の声に負けないくらいの産声を上げている我が子を、すぐに助産師が背中を向けてタオルに包んでいた。
藍里が放心しているとテレビの方でも騒がしくなり、視線だけを向けると、特殊班が部屋に突入し容疑者取り押さえたところだった。
陣痛の痛みの強さを表示するモニターを見ながら、助産師達が慌ただしく動き出す。
「まだ……まだですよ……っ!」
「まだ波が弱いです!まだいきまないでっ!」
「っ……んぅ……ぅ……!」
「赤ちゃんに酸素を送ってくださいっ!深呼吸してっ!!」
助産師達に大きな声で指示され、藍里は必死にいきみたいのを逃しながら深呼吸する。
これが最後のチャンスだと何度も自身に言い聞かせ、肩で大きく息をしながらテレビに視線を移した。
時を同じくして、慌ただしい動きをし始めた特殊班。
テレビカメラは、容疑者が立て籠っている部屋をアップで撮している。
何か、状況が変わる……。そう思った瞬間、耐えきれない痛みが藍里を襲った。
「いっ……ああ……っ!!」
「今ですっ!いきんで……っ!!」
「ん、んんんーーっ!!」
藍里は最後のチャンスを無駄にしないために、残った体力全てを使いきる覚悟で、今までにないほどの力を振り絞った。
ーーお願い……お願い、お願い……っ……出てきて……っ!
そう強く願った瞬間、大きな何かが体の中から出る不思議な感覚がした。
藍里が呼吸を乱しながら目を見開き、その感覚が何なのか理解できないでいると、室内に元気な泣き声が響き渡った。
「っ……生まれました……!生まれましたよ、永瀬さんっ!!」
「元気な赤ちゃんですよ!」
「あ、か……ちゃん……」
助産師達の声に負けないくらいの産声を上げている我が子を、すぐに助産師が背中を向けてタオルに包んでいた。
藍里が放心しているとテレビの方でも騒がしくなり、視線だけを向けると、特殊班が部屋に突入し容疑者取り押さえたところだった。