すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「ご主人の方も一段落ついたようですね」
「……」
喉がからからで返事も出来ずに、荒れた呼吸のままテレビを見つめる。
見ていた限りでは誰も怪我をしていなかったようで安堵の息をつくと、助産師がタオルに包んだ赤ちゃんを抱っこして近付いてきた。
「さあ、綺麗に拭きましたよ。抱っこしてあげてください」
「あ……」
抱っこと言っても、ベッドから起き上がることが出来ない藍里のはだけた胸の上に赤ちゃんを寝かせるだけなのだけれど、初めての対面に初めての肌の触れ合い、そして初めて感じる赤ちゃん自身の幸せの重みに藍里はやっと笑顔を浮かべた。
「……初めまして……やっと会えたね」
そう声をかけると、赤ちゃんは藍里のお腹の時にいたように体全体を使って大きく伸びをした。
その動作がとても可愛くて、不思議とさっきまでの痛みを忘れてしまった。
「やっぱり智君に似てるよね……?」
指で頬を撫でながら話しかけるが反応はなく、生まれたばかりの赤ちゃんはさっきまで元気に泣いていたのが嘘のように藍里の温もりに安心したのかスヤスヤと眠ってしまっていた。
それから暫くの間、赤ちゃんとの時間を過ごした藍里は、助産師が赤ちゃんを迎えに来た後すぐに蓄積された疲労によって、深い眠りについてしまった。
「……」
喉がからからで返事も出来ずに、荒れた呼吸のままテレビを見つめる。
見ていた限りでは誰も怪我をしていなかったようで安堵の息をつくと、助産師がタオルに包んだ赤ちゃんを抱っこして近付いてきた。
「さあ、綺麗に拭きましたよ。抱っこしてあげてください」
「あ……」
抱っこと言っても、ベッドから起き上がることが出来ない藍里のはだけた胸の上に赤ちゃんを寝かせるだけなのだけれど、初めての対面に初めての肌の触れ合い、そして初めて感じる赤ちゃん自身の幸せの重みに藍里はやっと笑顔を浮かべた。
「……初めまして……やっと会えたね」
そう声をかけると、赤ちゃんは藍里のお腹の時にいたように体全体を使って大きく伸びをした。
その動作がとても可愛くて、不思議とさっきまでの痛みを忘れてしまった。
「やっぱり智君に似てるよね……?」
指で頬を撫でながら話しかけるが反応はなく、生まれたばかりの赤ちゃんはさっきまで元気に泣いていたのが嘘のように藍里の温もりに安心したのかスヤスヤと眠ってしまっていた。
それから暫くの間、赤ちゃんとの時間を過ごした藍里は、助産師が赤ちゃんを迎えに来た後すぐに蓄積された疲労によって、深い眠りについてしまった。