生簀の恋は青い空を知っているか。

当たり前の対処法を提案される。

「浅黄さん、全然長文話さないし、頭の回転が速すぎて言ってる言葉が謎なことが多々あるんだけど」
「へえ」
「本当に彼女いると思う？」
「彼女いるの？」
「あ」

ぽろりと漏れた言葉に後悔する。う、言ってしまった。
鼎が意外そうに目をぱちくりさせている。

「いや、いるかどうかは聞いたことはないんだけど」
「聞きなさいよ」
「聞いて言うと思う？」
「心底嫌な顔をされそう」

なんか笑ってる。どこも笑う要素ないんですけど。

楽しそうにする鼎を前に、わたしはため息を吐く。