生簀の恋は青い空を知っているか。

「とりあえず、自分の気持ちは伝えようかなと思ったんだ。……良い?」

理美がこちらを見た。その顔の可愛いこと。

わたしの兄を理美が好きなことは知っていた。

中学からの付き合いだ。出会うまでより出会ってからの方が長くなった。

「うん、わたしからも連絡してみるね」

わたしが浅黄さんを想うみたいに理美がずっと想っていたのだと考えると胸が痛くなって、そう返すしかなかった。

お手洗いに理美が立って、鼎がピスタチオを摘む。

「うちの親、お見合い結婚なのよ」

皿に視線を落としたまま話す。

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