生簀の恋は青い空を知っているか。
「死んだら……困りますか?」
口から出た質問は、自意識過剰や何かの期待ではなく、純粋な疑問から。
「少なくとも運転手は困るだろうな」
「ああ、確かに」
それは迷惑がかかる、の間違いでは。
思ったけれど、納得した手前言うことは出来ず、わたしはベッドに戻ることとなった。
浅黄さんがベッドに横たわる。こちらに背を向ける横に、私も体を寝かせた。
先ほどまでかけられていたタオルケットを引き寄せる。
なにこのタオルケット、めっちゃ良い匂いするし触り心地が良い。
思わず肩まで被る。
「寒いのか?」
「え」
いつの間にかこちらを見ていたその目と、かち合う。