生簀の恋は青い空を知っているか。

いや、地雷を踏み抜いたのはわたしだけれども。

浅黄さんに触れられてどこもかしこも熱い。ちゅ、と時折首にキスが落ちてくる。
きゅ、と摘ままれて、びくびくと身体が反応する。

「見られて感じてんの?」

言われて、耳を食まれる。浅黄さんの手がしたへと下がっていく。あ、と思い出してその手を止めた。遅かったけど。

「え、ティ」
「違います! ドレスの形をくずすからって、むかしから言われてて!」
「役得かよ」

なにが、と思うより前に浅黄さんが真ん中の布を引っ張った。身体を走る大きな刺激に、声も抑えられなくて、なんだか泣けてきた。

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