生簀の恋は青い空を知っているか。

やはり怒っていたらしい。

そういえば煙草の許可を取ってなかったな、と思い出す。いや、ここは君の庭じゃないだろ、と突っ込むべきところなのか。

「ゴメン、ナサイ」
「わかればよろしい。あなたもきっとどこかへ泳いでいくひとなんでしょう」

すっと視線が逸れる。また池の方を見ている。
どう返事をするべきか分からず、口を噤んだ。

「それで、いつか龍になるんですね」

何を考えてそう言ったのかは全然分からない。
この女の素性も全然知らない。

「龍になると、思うか?」
「ええ、勿論」
「根拠は?」

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