Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
宮瀬の部屋はあたしの隣の隣。


あたしの隣が沙耶だ。


1度沙耶の部屋も宮瀬の部屋も通りすぎ、自分の部屋に戻る。


万が一何かされたとき用のナイフを服のポケットに忍ばせてから宮瀬の部屋をノックし、勝手に入る。


宮瀬は無防備なことに、入り口に背を向けベッドに寝転がっていた。


今、頸動脈を狙ってかっ切れば復讐は果たされる。


…そんなこと不可能だけど。


今こいつを殺せばそのうちあたしも殺されるだろう。


「偉そうに呼び出して何か用?」


殺せる距離にいるのに、殺せるタイミングがあるのに、隙があるのに、殺せない。


それが悔しくて悔しくてたまらない。


「西条組の傘下に神龍連合がいるのは知ってるだろ?」
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