Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

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「…ん…」


今何時だろう。


カーテンの隙間から目映い光が一筋のラインを作っている。


宮瀬の姿はすでになかった。


テーブルのスマホを取ろうと手を伸ばしたけど、腕が短いのか全然届かなかった。


「はぁ…」


別に寝起きは悪くないけど、起きてすぐはなるべく動きたくない。


ノロノロ服を着てからスマホを確認すると、時刻は11時半だった。


朝ごはん兼昼ごはんを食べにリビングに下りると、城田さんと沙耶がソファで楽しそうに話していた。


「あっ、玲香おはよー」


あたしに気づいた沙耶が満面の笑みで挨拶してくれる。


きっと城田さんと話せて嬉しいんだろうな。


「おはよ」


素直に感情表現できる沙耶が羨ましい。
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