Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
**
夏の真昼の外は限界まで熱した鉄板のように暑い。
アスファルトからジリジリ熱せられ、上からは太陽が直にあたしを焼こうとする。
小学生が虫捕り網とカゴを持って走り回り、ママチャリに乗った主婦は全身を布で覆い紫外線対策をしまくり。
そんな夏の微笑ましい光景も、少し危ないエリアに入った途端見られなくなる。
近寄っちゃダメよ、と紫外線対策をバッチリした母親たちは子どもに言うんだろう。
おかげで寂れて汚い路地裏は誰もいない。
ヤンキーのたまり場だ。
なんでこんなところに来たのかわからない。
ナオに会えるかもしれないと無意識に考えていたんだろうか。
落書きだらけの壁や、血の付いた金属バッドが転がってる高架下。
こんな場所があたしにはお似合いだ。