Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
沙耶に駆けよって抱きしめたかった。


でも、もうそんなことする資格はない。


裏切り者だから…。


ナオのために沙耶を売った最低な女だから…。


城田さんはあたしへ向けていた拳銃をそっと下ろした─。


次の瞬間、銃口はナオに向けられていた。


トリガーにかかっているその指が、動いた。


「やめて…っ!!」


─パンッ


あたしが城田さんを突き飛ばすよりも先に、銀色の弾丸が飛び出した。


その弾丸はナオの胸を撃ち抜き、真っ赤な血を吹き出しながらナオが膝から崩れ落ちる─。


一瞬だった。


本当に、一瞬の出来事だった。


「ナオ…!?ナオ…っ!!」


駆け寄りどれだけ身体を揺すっても反応がない。


なんで?


どうして…っ?
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