Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…さっき蹴ったとこまだ痛い?」


宮瀬はそう言い、そっとあたしのお腹に手を当てる。


…心配…してくれてるんだ。


「…別に」


あんな蹴り方じゃダメージは与えられない。


宮瀬もそれを分かってあの蹴り方をしたんだろう。


「…兄貴が見てたから。あぁでもしないと俺も疑われるし。悪かったな」


…やっぱり事情があったんだ。


でも…結局疑われてたけど…。


「…あたしのせいでごめん。宮瀬と城田さんの関係、壊してごめん」


謝って済む話じゃない。


でも、謝ることしかあたしにはできない。


「…玲香こっち向いて」


俯いていた顔を上げ、宮瀬の方を見た瞬間、唇に熱が触れた。
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