Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
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鳴り続ける電話に気がついたのは脱衣場に出たときだった。
慌てて服を着、スマホを取りにベッドへ戻る。
スマホ確認すると不在着信が何十件も溜まっている。
全部【仕事用】からの着信だ。
「もしも─」
『さっさと逃げろ!!』
切羽詰まったような宮瀬の怒鳴り声が耳に飛び込んでくる。
「え…?」
初めて聞くその声に戸惑ってしまう。
そんな時間はないというのに。
『いいから早く!組の奴らがそこに着くのは時間の問題だ!逃げろ!』
バレたの…?
たった1日…いや半日で…?
心臓がザワザワと騒がしく音をたてる。
目の前が真っ暗になり、頭がボーッとする。