Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
とんでもない恐怖があたしを支配する。


立ってるのも座ってるのも、意識があることすら、しんどくなってくる。


『聞いてんのか!早く!!あとで合流するからとにかく逃げろ!』


もし捕まったら…?


あたし…殺される…。


どんな殺され方されるんだろう。


やっぱり拷問されるんだろうか。


痛め付けられるんだろうか。


「……怖い。怖いよ宮瀬…っ」


震えが止まらない。


先が見えないことがこんなにも怖いことだなんて知らなかった。


一時間後、自分が生きているのかも分からない。


ただただ怖い。


拷問された末に死んでいった人を何人も見たことがある。


小麦色の肌は血で真っ赤に染まり、爪を剥がされ、歯を抜かれ、それでも意識を失うことはなくまるで生き地獄。
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