花時の贈り物


何故ここにいるのかと驚いていると、どうやらクラスの男子たちとバスケをして遊んでいたらしい。

明日は体育祭だというのに体力のある瀬川くんたちは疲れが翌日にくる不安はないようだった。


「それなかなか終わんねーなぁ」
「こういうの苦手で……」
「本当だ。すげー歪」

からかうようににやりと笑いながらも、瀬川くんはこうしたほうがいいと丁寧にアドバイスをくれる。

瀬川くんは一年生にクラスカラーが赤だったらしく、今年はハチマキを作らずに済んだらしい。


「悠理は裁縫とか得意そうに見えるのに、案外細かい作業苦手だよな」
「……大雑把ってはっきり言っていいよ」

自分の欠点を晒してしまって恥ずかしい。けれど、声をあげて笑う瀬川くんを見ていると表情が緩みそうになる。


「いいじゃん。ギャップがあって」
「えー……でもそれよくない方のギャップだよね」
「抜けてて不器用なのもいいと思うけど」

一年前の夏から少しずつ育ってきた想いは瀬川くんの言葉に一喜一憂してしまう。あの頃はこのまま抑えきれると思っていた。

たとえ、瀬川くんが采花を好きになっても、采花が瀬川くんを好きになっても、私はふたりの味方でいたいと本気で思っていたのだ。

それなのに育った想いは欲をだしてきた。

采花と瀬川くんがお似合いだ。実は付き合っているんじゃないか。付き合っていなくても、両思いだろう。


そう噂されていることを知って、私は心の中にある感情に気づき始めてしまった。





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