144本のバラの花束を君に
そう言い、男性たちは静音の腕を引っ張る。静音は足に力を入れ、「案内してくれる人はいますので、大丈夫です!!」と言った。この二人に付いて行ったらまずい。そう本能が警告している。

「ええ〜?でも、君一人じゃん!置いてかれたんじゃない?」

「俺らと一緒の方が楽しいよ〜?」

静音は逃げようとするが、男性二人の力には敵わない。静音の体はゆっくり男性二人に近づいていく。

静音が男性二人を見上げると、男性二人は下卑た笑みを浮かべていた。エリックとは大違いだ。

エリック、助けて……!

静音が泣きそうになりながらそう心の中で呟いたその時、「Let her go!(彼女を放せ!)」と言いながらエリックが走ってきた。

静音は安心すると同時に驚く。エリックは、立派な黒いタキシードを着ていた。

エリックは驚く静音を抱きしめ、男性二人を睨む。

「That girl don't put yours finger on her.(この子は、お前たちが触れていい人じゃない)」
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