クールな専務は凄腕パティシエールを陥落する
幸い、叔父の病は軽くてすんだが、

今後も同じ状況に陥る可能性があるとの周囲の不安が、和生への過度の期待と犠牲を強いてきた。

22歳でフロント業務につき、清掃、レストラン、営業、ブライダル、すべての部門をまわって問題点を抽出していった。

都内にある3ヵ所の関連施設(スパリゾート、アウトレットモール、イベントスクエア)も同様だ。

このような状況では、仕事に追われる毎日。

故に、交際を申し込まれて付き合った3人の女性とも3ヶ月以上、続いたことはなかった。

何より、彼女達に割く時間も惜しく、

ましてや彼女達の派手な容姿や生活態度に癒されることは皆無だったため、自ずと和生の態度も冷たくなっていたからである。

女性との付き合いを回避し、Mr.coolと呼ばれるようになってからも、和生の生活は一変することはなかった。



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