白と黒ゲーム
「山田は事前に教えてた可能性もあるだろ?その可能性の方が高いんだって。そもそもこのゲームは黒の方が圧倒的に不利だ。」
真は周りを意識しながら喋っている様子だった。この状況を楽しんでいるような姿に私は苛立ちを覚えた。
「このゲームは人狼ゲームによく似てる。村人と人狼で分かれて役職を上手く使って、お互いの生存をかける。だが、人狼ゲームとこのゲームの違いは二つある。」
「二つ....ですか...」
「一つ目は殺しの制限だ。人狼ゲームは一日で死ぬのは村人の処刑と人狼の襲撃、役職によるが二人が普通だ。
でもこのゲームは時間制限はあるが何回でも襲撃、処刑してもいい。まぁ白の処刑会談は十八時固定で一回あるし、黒の一人殺さない義務もある。"最低"で二人だ。」
皆の顔が険しくなると同時に空気が重くなっていく。
「二つ目は役職に代償があること。人狼にも身代わり的な役職もあるが、このゲームの役職は能力発動には必ず自分の命がかけられてる。だから人狼ゲームより慎重かつ勇気を持たないといけない。」
「そ、それで黒が不利というのは....」
美智は申し訳なさそうにしながら真に聞くと、呆れたような表情を作り美智は小声で謝罪しながら頭を縦に振る。