白と黒ゲーム
「あんたいいかげ」
「待ってよ吉田君。まだ決めつけるのは早いよ。まだ須藤君も来てないのに...」
真の肩に手を置いて前に出てきたのは、私の親友である玲美だった。私は庇ってくれて嬉しかったが、それ以上に気になることを優先した。
「え?央土君まだ来てないの?」
「....うん。今ここに来てないのは須藤君だけなんだ...」
私は部屋の中を見回すが、玲美の言う通り央土だけ姿が見当たらなかった。
それに対して真はまたクスクスと笑い始めた。
「寝てるのか...黒で外に潜んでるのか...その二人に殺されたのかだね...」
「てめぇ....いい加減にしろ!!」
純は真に向かって走り出し、殴りかかろうとしたが、勝治が止めに入った。
「勝治!離せ!アイツを一発殴らないと気が済まない!」
「よせ純!そんな事しても意味が無いし状況が悪くなるだけだ!落ち着けよ!」
勝治の言葉で純は握り拳を悔しそうに下ろした。それを見て真は更に笑う。
「あはは。殴り殺されるかと思ったよ〜。あ、もしかしてそれも白アピールの一環かな?」
真の煽りは治まっていた純の怒りに再び火をつけ、勝治を振り払おうとしたが勝治はガッチリと掴んでいた。