欠けてるあなたが大好きです。
「ん〜…。」
ごろんと寝返りをうつ。
すると右手に温かい何かがあたった。
温かい…?
目を開けて見ると、目の前にイケメンの寝顔が。
「…え?」
周りを見ると、きらびやかなシャンデリアや
おしゃれで高そうな装飾品が目に入る。
…どこだ、ここ。
少なくとも朝来たスイートルームとは内装が違う。
そう思ったけど、もぞもぞ動いて…。
ぎゅっ。
寝ているイケメンに抱きついて、
もっかい目を閉じる。
「ん…?
…咲雪、起きたのか?」
「えへへっ。」
もちろんイケメンの正体は諒くん。
少しいつもより低い声。
ぎゅぅ〜っと抱きしめる力を強める。
「子どもみたいだな。」
そう言いながらわたしの髪をほどく諒くん。
編み込んでいた部分だけまだ湿っている髪に
指をとおしてくれる。