欠けてるあなたが大好きです。

「ありがとう。」


小さな小さな声でお礼を言う。


きっと、いや絶対聞こえてはいると思う。



でも諒くんは何も言わずに次の人のテストを始める。




寂しいなんて思えなくて、

むしろそっけないとこも好きだなぁって

思えるわたしは幸せ者。





次々とテストをして、

最後の11人目を終えた頃には

本来ある授業でいうと

6時間目が終わったくらいになっていた。





全員いるのを点呼で確認して、諸連絡に移る。



「衣装班としては

 試着による問題等ありませんでしたので

 何も言うことはないです。」


「装飾班も最低限は終えてるから仕事は終わり!

 手直しとか微調整したいやつは

 おれに言ってからよろしく!」


水谷くんと朔くんがみんなに向けて言う。



諒くんが先に言うかな?と思って見てみたけど、

手でわたしを示してくるから流れに沿って口を開く。




「みなさんお疲れ様でした!

 さすがに前日は慌ただしくなっちゃったけど、

 無事に準備できてよかったです。

 料理班の人たちは明日の食材受け取り、

 お願いしますね。」



実行委員長として全体に向けたことも言ってみた。



明日から3日間が

幸せに包まれた最高な日々になるといいな。




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