欠けてるあなたが大好きです。

「明日香ちゃん声かけれなくてごめんね…。」



「咲雪ちゃんまだ言ってるのー?

 別にいいって!」


明るく笑ってる明日香ちゃん。


強いなぁ…。



「そんなことよりほら!

 愛しの彼氏様を応援しなきゃ!」


「愛しの彼氏様って…。

 それにまだ試合始まってないよ?」



「わかってないなぁー。

 試合始まったら集中しちゃって

 あんま声聞けないんだよ?

 だからウォーミングアップ中の今

 応援しないと!」


「え、そうなの?」



「そうだよー。

 少なくともうちは聞こえなくなっちゃう。

 …ね、ルナ?」


「…ふぇ?」


何の声だ?と思って琉奈ちゃんを見ると、

口にケーキが突っ込まれていた。


わたしが作ったケーキが。




「一口で食べる用のサイズじゃないんだけどなぁ…。」


「ふぇもひろくちれたえたい。」



「食べてからしゃべろっか?」


「ってそんなことはどーでもよくて!

 始まっちゃうから声かけなさい!」


「えー。」


「えーじゃないの!ほら!」


明日香ちゃんはシュート練習をしている諒くんを指差す。





…なんかおもしろい。


かわいいデザインのクラTを着てるのに、

鋭い目つきのイケメンって…。


ギャップが強すぎて萌えられないレベルだ。



諒くんの見た目に笑いそうになりながら、

明日香ちゃんに質問する。


「…なんて言えばいいの?」



「じゃあうちが言った通りに言えばいいから!」


「わかった。」


諒くんの方に向き直って明日香ちゃんの言葉を待つ。



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