初恋
いつもの分かれ道で咲月ちゃんと別れ、家に帰るとママはメイクをしていた。
真琴「ママ?どこか行くの?」
ママ『え?お祭りの準備してるのよ〜』
真琴「早くない?」
ママ『真琴の準備もしなきゃでしょ?』
真琴「私の準備って?」
ママ『浴衣、着るでしょ?』
真琴「あ、うん」
ママ『今日は亮太くんのとこと一緒に行くよ』
真琴「学校で亮太くんに聞いた」
ママ『亮太くんモテるんでしょ?』
真琴「そうだね〜」
ママ『真琴も負けてられないね!』
真琴「何に?」
ママ『またまた〜(笑)』
真琴「え?」
ママ『今日は可愛くしなきゃね』
ママは謎に張り切っていた。
今思えば私も亮太くんが好きなんだろうと思ってたのかな、と思う。
ママの準備を待ってる間に私は宿題をしていた。
〜♪
ママのケータイの着信音に少しびっくりした。
ママ『もしもし〜?あっ咲月ちゃん!真琴?今宿題してるよ〜、変わるね〜』
ママが口パクで『さつきちゃん』と言いながらケータイを渡してきた。
真琴「もしもし?」
咲月『まこちゃん!ママがいいって!』
真琴「ほんと!?じゃあ一緒に行こう!」
咲月『まこちゃんのママにも聞いてみて!』
真琴「分かった!ママ!さつきちゃんも一緒にお祭り行っていい?」
ママ『全然大丈夫だよ〜!』
真琴「大丈夫だって!」
咲月『良かった!じゃあ、浴衣に着替えてまこちゃんちに行くね!』
真琴「分かった!」
電話を切って、ママの準備が終わって私も浴衣に着替えた。
黄色にオレンジの花柄の浴衣、赤い帯、長い髪はお母さんにセットしてもらって、ピンクのお花の髪飾りを付けてもらった。