初恋


いつもの分かれ道で咲月ちゃんと別れ、家に帰るとママはメイクをしていた。


真琴「ママ?どこか行くの?」

ママ『え?お祭りの準備してるのよ〜』

真琴「早くない?」

ママ『真琴の準備もしなきゃでしょ?』

真琴「私の準備って?」

ママ『浴衣、着るでしょ?』

真琴「あ、うん」

ママ『今日は亮太くんのとこと一緒に行くよ』

真琴「学校で亮太くんに聞いた」

ママ『亮太くんモテるんでしょ?』

真琴「そうだね〜」

ママ『真琴も負けてられないね!』

真琴「何に?」

ママ『またまた〜(笑)』

真琴「え?」

ママ『今日は可愛くしなきゃね』



ママは謎に張り切っていた。

今思えば私も亮太くんが好きなんだろうと思ってたのかな、と思う。


ママの準備を待ってる間に私は宿題をしていた。



〜♪

ママのケータイの着信音に少しびっくりした。


ママ『もしもし〜?あっ咲月ちゃん!真琴?今宿題してるよ〜、変わるね〜』


ママが口パクで『さつきちゃん』と言いながらケータイを渡してきた。


真琴「もしもし?」

咲月『まこちゃん!ママがいいって!』

真琴「ほんと!?じゃあ一緒に行こう!」

咲月『まこちゃんの‪ママにも聞いてみて!』

真琴「分かった!ママ!さつきちゃんも一緒にお祭り行っていい?」

ママ『全然大丈夫だよ〜!』

真琴「大丈夫だって!」

咲月『良かった!じゃあ、浴衣に着替えてまこちゃんちに行くね!』

真琴「分かった!」



電話を切って、ママの準備が終わって私も浴衣に着替えた。

黄色にオレンジの花柄の浴衣、赤い帯、長い髪はお母さんにセットしてもらって、ピンクのお花の髪飾りを付けてもらった。

< 4 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop