同じ人を好きになるなんて
「遠足のことよね?」
「そうじゃない」
「え?」
「今だから言うけど、俺はお前と別れることは望んでなかった」
な、なんで今頃こんなことを言うの?
絶句する私を見て陸斗は話を続けた。
「ただ、あの時の俺たちは仕事と恋の両立をするだけの余裕がなかった。子供だったんだ。だから別れを受け入れることがまゆりの幸せになるのならと思って受け入れただけで俺は今でもまゆりのことが––」
「もういい。親子遠足だけど。私も行きます。だから……もう寝ます。おやすみなさい」
「まゆり!」
陸斗が何を言おうとしているのか彼の私を見つめる視線でわかってしまった。
だから最後まで聞けなかった。いや聞きたくなかった。
なんで陸斗はあんなことを言おうとしたの?
親子遠足のため?
私と別れた後に結婚して子供もいるのになんであんなことを言うの?
私は逃げるように階段を駆け上がると自分の部屋に入った。
心臓は尋常じゃないくらいばくばくしていてうるさい。
だけどそれよりも陸斗が私のことを嫌いになって別れを受け入れたんじゃなかったことに少なからず嬉しいと思ってしまった自分に驚いていた。
でも今更こんなこと言われても……どうにもならないじゃない。
どうすりゃいいの?
「そうじゃない」
「え?」
「今だから言うけど、俺はお前と別れることは望んでなかった」
な、なんで今頃こんなことを言うの?
絶句する私を見て陸斗は話を続けた。
「ただ、あの時の俺たちは仕事と恋の両立をするだけの余裕がなかった。子供だったんだ。だから別れを受け入れることがまゆりの幸せになるのならと思って受け入れただけで俺は今でもまゆりのことが––」
「もういい。親子遠足だけど。私も行きます。だから……もう寝ます。おやすみなさい」
「まゆり!」
陸斗が何を言おうとしているのか彼の私を見つめる視線でわかってしまった。
だから最後まで聞けなかった。いや聞きたくなかった。
なんで陸斗はあんなことを言おうとしたの?
親子遠足のため?
私と別れた後に結婚して子供もいるのになんであんなことを言うの?
私は逃げるように階段を駆け上がると自分の部屋に入った。
心臓は尋常じゃないくらいばくばくしていてうるさい。
だけどそれよりも陸斗が私のことを嫌いになって別れを受け入れたんじゃなかったことに少なからず嬉しいと思ってしまった自分に驚いていた。
でも今更こんなこと言われても……どうにもならないじゃない。
どうすりゃいいの?