同じ人を好きになるなんて
それから岡上社長がアルバイトしていた頃の話や自分の会社を作った頃の話を聞いた。

若いのにちゃんと自分の目標を持ってそれに向かって頑張る姿はかっこいいと思った。

今の私とは雲泥の差。

「ところで……須藤さんは今家政婦の仕事をしてるって言ってましたが……」

「は、はい。会社が倒産した後に友人が声をかけてくれて……」

住み込みでとは言い出しにくかった。

「どんなことをしてるんですか?」

「どんなことって……家事全般。ご飯を作ったり洗濯掃除……諸々です」

岡上社長はドライマティーニを一口飲むと何か考えるように小さく頷き私に視線を置いた。

「さっき倉持社長も言ってましたが僕も須藤さんが家政婦なんてもったいないです。できれば家政婦をやめてもらって僕の秘書になって欲しい。もちろん今の仕事をやめてもらってまで来てもらうからにはそれなりに支度金も用意します。ですから」

「ま、待ってください」

どうしよう。
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