同じ人を好きになるなんて
再び告白されたのは一緒にランチを食べるようになって2ヶ月経ったころだった。

「もう一度言うね。俺はまゆりが好き。最初に告白した時よりもっともっと好きになった。だから付き合ってほしい」

私は彼からの告白を素直に受け入れた。

だがその噂はあっという間に広まった。

バレないように気をつけていたつもりだったんだけど、彼が私の住むアパートに入るところを同じ大学の人に目撃されたそうなのだ。

そのことで彼を狙っていた女性たちの痛い視線を浴びることになった。

友人が言った『イケメンの彼女になった宿命?』これが現実になろうととは……

それでも私がそのことをすごく気にいていることを知っていた彼は私を守ってくれた。

それは言葉だけじゃなく行動でも示してくれた。

だから自分だけビクビクしても仕方がないと思う様になり私はどんなに痛い視線を浴びても気にしないと決めた。

そのうち時間とともに誰も何も私たちのことを言わなくなったし、睨まれることもなくなった。 

だがそんな幸せに陰りが出たのは陸斗の就職活動が始まった頃だった。
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