同じ人を好きになるなんて
保育園の中に入ると、お迎えに来た保護者が子供を待っていた。

だが、陸斗に気づくと保護者の顔色が変わった。

「ねえ、なんか凄いね」

「何が？」

「何がって……わかってないなら別にいい」

陸斗を見るお母さん方の熱い視線に気づいてないの？それともわかってて無視しているのか？

しかも陸斗の横にいる私に対してのよそ者を見る目も凄い。

「ねえ、もう理人くん出てくるの？」

「ああ、もう出てくるけど……どうかしたか？」

まさかお母さんたちの視線が怖いとは言えない。

でもしばらくは油断大敵かも。

そんなことを思っていると教室のガラス戸が開き子供達が出てきた。

延長する子は移動するため先生と別の教室へ、その中に理人くんの姿があった。

そして理人くんと目があった途端、パアッと明るい表情に変わった。

そして先生の服の裾を引っ張りながら私を指差した。
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