同じ人を好きになるなんて
陸斗がかっこいいのはわかるけど、ここまでとは思わなかった。

しばらくはこんな毎日なんだろうと思うと気が重い。

とは言えこれも仕事のうち。

家政婦をやめたって行くところもないし、視線を回避すれば問題はない。ここは頑張らねば。

私は大きく深呼吸をすると歩き出した。

その時だった。

「あの?」

後ろから声をかけられ振り向くと、知らない女性三人組が後ろにいた。

「私……ですか?」

「ええ。私理人くんと同じクラスの町田昭仁の母です」

いきなり同じクラスの子の母親と言われ誰のことだかさっぱりわからないので戸惑う。

「いつも理人がお世話になってます」

一応母親って設定だからそれっぽくいってみる。

だが三人組は戸惑うように顔を見合わせた。

そして別の女性が恐縮するように頭をペコペコ下げながら一歩前に出た。

「つかぬ事をお伺いしますが、綱島理人くんのお母さんですか?」

「はい」

私が答える度に三人組は過剰な反応をする。

私もバカじゃないからこの三人が聞きたいことなんて大方わかってる。

でもなんでいちいち相談しながら話しかけるの?

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