絶対恋に落ちない。そう思ってたのに…。見習い騎士と素直に慣れない私
第1章

目が覚めたら・・・

目が覚めると、私は草原に横たわっていた。近くに持っていたカバンが散乱している。
「あれ、道路側に出るはずだったのに、なんで」
青く広がる空を見上げながら、そんな事を呟いた。

「お前、こんな所で何やってる。」

突然、頭上から降ってきた声。
30歳前後に見える。黒髪に軽くパーマのかかっていて、毛先がちょっと跳ねてる。
何日か髭も剃ってないのか、ちょっと伸びかけている。
(何このだらしのなさそうな男は。。)

「川にでも落ちたのか?」

そう言いながら、怪訝そうに私の服装を眺める。
起き上がり、服を見ると、私の洋服は雨に濡れて少し透けていた。

「ちがう..。雨がひどくて、携帯を忘れたのに気付いて、私は、路地裏を通ってファミレスに向かおうと...。」

そう話しながら、私が通ってきた路地裏の方を見ると一面森が広がっていた。

「そんな。。」慌てて、反対側を
草原が広がり遠くの方に家が数件立っているのが見えるだけ。

「今は、雨季の季節ではないが。ファミレスという国に向かっているのか。」

(え?、ファミレスを知らないなんて、てかここは何処なのよ。。)
「とにかく、私行かないと。」

この状況に、だんだんと恐怖を感じ、慌てて鞄を持ち、路地裏があったであろう森の方に歩き出そうとする。
「おい、待て!」
男が私の腕をつかむ。
「そこから先は、王家の森だ。何者か分からない者は通れない」
(王家?知らないわよ。そんな事!ここから来たんだから、帰れるはず!)

彼の腕を振りほどいて、私は、森の奥へと走り出した。




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