俺の、となりにいろ。

「さて、ちょっと様子をみようか」
と、秀人はイタズラっぽく、ニッと笑った。


「あれ?紺野?」

ある日、秀人は同僚の設計部主任、紺野修二と廊下ですれ違う。もうすぐ打ち合わせが始まるのに、今からどこへ行くというのか。

「桐谷、打ち合わせを先に始めてくれないか。ちょっと四階にいってくる」
と、修二は急ぎ足でエレベーターホールへと向かっていった。

「……」
秀人はスマホを耳に当てた。
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