俺の、となりにいろ。

入力しなければならない備品のデータは真っ白だ。
部署へ振り分ける文具類やコピー機のカートリッジも、カウンターの上に山積みのままだ。

ここにいた奈津美も、いつ部屋から出ていったのか、覚えていない。

ただ、ぼんやりと。

今にも耐えきれず、下にぼたりと落ちてくるような重々しく厚みを帯びた灰色の雲が、空一面に広がる分だけ、私の中に黒く広がる何かと同調しているようだった。

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