俺の、となりにいろ。

「桐谷課長…三種類ほどの、香水の香りが…」

懇親会では、かなりおモテになったようだ。

桐谷秀人はじっと私を見つめると、靴を脱ぎ靴下も脱いで部屋へ上がり、私を引き入れる。
そして水分を含んで重くなった服を、次々と脱ぎ出した。
「…!!」
私はその行動に、慌てて後ろを向く。
ズボンのベルトを外しているのであろう、カチャカチャという音が聞こえた。

クスッと笑う声が聞こえる。

「俺、嬉しい。服についた香水を嫌がってくれたこと。香水に嫉妬するくらい、俺のこと意識してるって思ってて、いいんだよな?」

──そんなの、当たり前でしょ。
…好き、なんだから。

後ろから聞こえる声は、すごく優しい。
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