俺の、となりにいろ。
突然、備品室のドアが、音を立てて開いた。
奈津美と顔を向けると、膝下丈のクリーム色のシフォンスカートがよく似合っている仲本桜子が、腰に手を当てて、まるで睨むような鋭い視線で私達を見ていた。
ここへ来た、ということは営業部の備品を取りに…という感じではないらしい。
仲本桜子はコツコツとヒールを鳴らして、数歩こちらに近づいた。
「お、お疲れ様で…」
「あなたも数年前まで、営業部にいたんですね」
言い終わらない挨拶の上に重ねられたセリフに、全身がカチッと固まる。
仲本桜子の顔が見れないまま、私は俯いた。