俺の、となりにいろ。

「古いお客様のリフォームがあって、資料を見つけたら「田島」という名前を見つけたの。その時、営業のみんなに聞いたら「知らない」なんて言ってたのに…」

仲本桜子の少し高めのハキハキした口調に、自分の指先が冷たくなっていくのを感じた。
赤い唇が弧を描いていく様が、「私の勝ち」と言っているようだった。
「でも、懇親会でお酒の入ったみんなの口の軽さといったら…フフッ」

──みんなの目の前で、宇田支店長を悪者にして、セクハラで訴えようとしたんですって?

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