クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
「リアナ。このトリアに来たのは、俺の態度が原因か? 子供が出来たことに感謝の気持ちを伝えられなかったから、失望して俺から離れたのか?」
静かに語られたその言葉に、高揚していた気持ちが静まって行くのを感じた。
現実を思い出したのだ。
(現状は何も変わっていないんだわ。リカルド様にはエルドラ王女がいて、ここまで一緒に来ているのだもの。でも……)
「私はリカルド様に失望したことなんてありません」
リカルドは怪訝な顔をする。
「それならなぜ俺から離れた?」
「それは……」
リアナはリカルドがら目を逸らす。
最大の理由はエルドラ王女との関係を知ったからだが、正直に打ち明ける勇気が持てなかった。
王族の恋愛事情を口にするのは憚られるし、リカルドはきっと、リアナにエルドラ王女とのことを知られなくないと思っているはずだ。
王女の侍女と決して口外しないと約束もした。
応えられないでいると、リカルドが低く沈んだ声で呟いた。