ロマンスの王子様
そう思っていたら、奥原さんは上から下まで品定めをするように私を見つめた。

何だかヤな感じだなあ…。

「えっと…初めまして、上岡明穂と申します」

私は自己紹介をした。

「お前が『小町家』の冬香さんの妹さんで、俺と結婚する人なんだ?」

そう聞いてきた奥原さんに、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「なるほどね、確かにつきあっている人はいなさそうだ」

何故だか納得をした様子でそう言った奥原さんに、私は訳がわからなかった。

つきあっている人はいないと言えばいないけど、何を根拠にそんなことを言われたんだ?

「まさか、冬香さんの他にもう1人娘がいたとは知らなかったなあ。

お前は普段は何をしているんだ?」

奥原さんは聞いてきた。

何だろう、すっごい気に障る感じがするんですけど…。
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